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ロボットと人ではなく、人と人をつなぐロボット
『対孤独用 コミュニケーションロボット』
2012年9月 吉藤

「孤独」に苦しめられた経験

 1週間、これは私が鬱に近い状態で無気力で天井を眺め続け、日本語を忘れかけた状態になった期間だ。
 小学校から中学にかけて3年半の間、ストレスと自宅療養でほとんど学校に通う事ができなかった。過度なストレスで精神的、肉体的に弱り、人前に出られなくなり、勉強は遅れて劣等感を抱き、成長する友人らの会話について行けなくなり、人間不信、辛い孤独に苛まれた。

204.jpg 不登校の間、折紙やものづくりを趣味としていた事から工業高校に進学し、仲間らと車椅子の新機構を発明、奈良県のニュースや新聞などで紹介された事で、何人かの高齢者から「こんなものを作れないか」と、相談を持ちかけられるようになった。
 これらを聞いている中で、私は核家族、無縁社会、難病、介護や育児などに関係する、「孤独」という問題が多くの人を深く苦しめているのだと知った。高齢者だけではなく、たとえば入院患者など、孤独に苦しめられている人は多く存在した。

 自身の経験と、相談を持ちかけられた事から、私は「孤独問題を解決したい」と真剣に考え始めたた。
 高校で3年間、師の教えのもとでものづくりを学んだのち、「孤独への癒し」をテーマとした福祉機器開発を目指し、工業高等専門学校で人工知能について学んだ。家や病院のベッドに置いて話し相手になる友達ロボットの開発を目指したのである。ペットロボットや友達ロボット、それがあれば、人と会えなくても寂しくないと考えたからだ。

 しかし、人工知能の開発と同時に他で人と接する福祉ボランティアをしている中で、次第に自分の中に違和感を感じるようになる。人工知能や認知心理学の研究は大変興味深いし、たしかに友達としての癒しロボットも間違いなく将来人の役に立つ有意義なものと感じられた。
 しかしそれでも、私は自分の経験から、「人工知能が人を癒している未来」よりも、「親しい人と人同士がつながり、孤独でなくなる未来」を創りたかった。

 それに気づき、高専を中退して早稲田大学へ進学し、マンションの自室にNCフライスや卓上旋盤を買い揃え、大学でパントマイムの身体表現を学び、ボランティアを続けながら6畳の部屋で開発をスタートした。


「どんなに離れていても入院していても、家族や友人らと同じ時間を過ごす事ができる未来のため、人と人を繋ぐデバイスを開発する。」


 それが、私がロボットをつくる理由であり、ロボットコミュニケーターを名乗る理由だ。

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OriHimeロボットの役割